無謀とは…
今日は朝から雨。
ああ…、と溜め息が出ましたが、行かなきゃ、ボッカに。
明日は台風直撃との予報なので、今日行くしかありません。
雨の日の森は幻想的。
幸い小降りだったので助かりました。
で14時ころに帰小屋。
もう今日明日は誰も来ないだろうと思っていたら、単独の若い男性がテントを張らせてほしいと小屋にきました。
明日は大荒れになることは目に見えています。
恐縮するようにテント泊を申し出る男性。
「いや、構わないけど、明日は荒れるよ」
「はあ、スゴいですかねぇ」
「たぶん、体力があるなら今から下山を勧めるけど」
「はあ…」
「明日の予定は?」
「雲取方面に縦走を考えています。」
「ん〜、そうかあ…、行って行けないことはないと思うけど、辛いよ」
「ヤバい所ありますかねぇ」
「いや、風もスゴイだろうから、木の枝が飛んできたりするからねぇ」
「無謀ですかねぇ」
「ん〜…」
台風の日に山を歩く人は少ないです。
でも歩いたって無謀とは思いません。
アルプスのような森林限界を超えた稜線歩きならいざしらず、樹林帯の奥秩父ならば、注意を払いながら歩けば決して無茶とは思いません。
もちろん、崩落や倒木の危険、岩場の通過には細心の注意が必要です。
例えば、台風の日にザイルも持たず(またはその技術もなく)、沢に入る。
これは無謀です。
しかし、そのための技術や体力、心意気があれば無謀とは言えません。
台風によって荒れ狂った沢を一目見たくて入渓する人もいます(極々まれに)。
そのために訓練していれば無謀な挑戦ではないでしょう。
ん〜、例えが変だなあ…。
話がそれた。
その男性には、明日の天気によっては下山すること。
下山する際は、戸渡尾根でも近丸新道と、雁坂峠からの西沢方面のコースには決して降りないこと(いずれも沢を越えなくてはならないから)。
最悪停滞、小屋に逃げ込むこと。
枝などの飛来物には注意すること。
これらを話ました。
彼にとっては立派な挑戦かもしれません。
無碍に「やめなさい」とは言えません。
でもねぇ、小屋番としては…、心配にもなります。
個人的には「GO!GO!」なんすけどねぇ…。
無事縦走を祈ります。
今の気温は11℃。
雨と風が強くなってきました。
木曜日にはまたボッカに行くつもりなので、登山道状況はまたその時に。
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