前夜発、駅寝で朝一番の沼田〜戸倉スキー場のバスに乗り、スキー場脇の林道を起ったのは9時半を回っていました。
スノーモービルのトレースをスキーにシール(滑り止め)を着けてひたすら林道を歩きました。
尾瀬ケ原に行くには鳩待峠へ上がるのが普通の様でしたが、車道を延々歩く事に抵抗を憶え富士見峠〜アヤメ平からナルイ尾根を滑って尾瀬が原へ降りようと、尾瀬の素人二人は思ったのですがちょっと甘かったみたいでした。
ほどなくしてスノーモービルのトレースも消えて登山道を無視して歩きます。
途中からアヤメ平へ延びる尾根に上がり広い尾根をゆっくり高度を上げました。
数日前に降った雪は予想以上。スキーを履いてもスネ辺りまで潜り歩は一向にはかどらず。もっと楽出来るかと思っていました。
この辺りで平が岳までは無理と思いました。でもいくらでも予定を短縮してもたっぷり遊べそうな懐広い尾瀬。まったく悲観的にはなりません。
高度が上がるにつれ、周りの白い峰峰が目線の高さまで迫ってきます。疲れも忘れる瞬間です。
そんな時、雪の下に隠れる樹の枝にスキーを引っ掛けてモンドリ打ちました。重たいザックが頭に乗っかり雪の中へズブズブ・・・。
雪まみれになり、でもまた気を取り直して稜線を目指しました。
が、しばらくして右膝に違和感。大して痛くなかったので気にしていませんでしたが、稜線に出た頃には右足を引きずって歩く始末。
16時半、アヤメ平の雪原に立った頃には快晴の天気も崩れ始め、針葉樹の陰にテントを張りました。
ビッコを引いている私の姿にツレは「その足、大丈夫・・・?」と。
「たぶん大丈夫、たいした事なさそう」と言いました。
そんな事よりとにかく初日の宴会!酒の飲まぬツレに呆れらながらダラダラ楽しみました。
いつしか空には満天の星が。
次の日。
もう最高!!テンションも上がります。
雲の上の様。
が、膝が・・・へん。
とりあえず、だましだまし進む事にしました。
しかし歩くにつれ膝が痛く、踏ん張りも利かず、ゆるい下りも滑れずコケまくり。←いや、膝が問題なくても滑れないのですが。
しかもツレの長いスキーはツーっと滑って行くのに、私の短いスキーはズブズブ潜りまったく滑りません。下りも歩くスキーって・・・。
それが更に膝が負担に・・・。
「なんか、膝ヤバそうなんだけど・・・」
「まじ?」
「うん、・・・まじ、しかも俺のスキー、滑る気ないみたいでさあ」
「は?」
万が一、本当に歩けなくなり救助要請なんてあってはなりません。
結局この日は、最悪の事を考えてとりあえず鳩待峠までと決めてヨタヨタ滑り歩きました。
途中から峠から来たらしいスノーモービルのトレースを発見。そのトレースに乗って転びながら滑っていたらこれまたハプニング。
私のショートスキーの滑走面がペロンと剥がれるという前代未聞の事態に。
使い手のダメさ加減が伝わったかスキーまでも壊れました。
もうツレはただ呆然。
私はただうなだれて。
「先に鳩待まで滑って行って」と伝え、私はスキーを外して右足を引きずりながらトボトボ歩き、スキーはスノーモービルのトレースにプラレールよろしく勝手に先に滑らせました。
ちょっと蹴飛ばせば意思をもった様にツイ〜っと。
主人を置いて気持ち良く滑る子達・・・。待ってくれー!
この日は昼過ぎに鳩待峠。早々にテントを張りました。
昼寝をしているツレに、この体たらくな私が出来る事と言えば、ただただ雪を溶かして水を作りせっせと飯の準備をする事、だけ。
お酒を飲みながらね。
そしてホタル族よろしくションボリ外で一服・・・。
まだ明るいうちから寝袋にくるまりましたが、夜半からもの凄い風であまり眠れませんでした。
情けない気持ちに拍車がかかります・・・。
でもお酒はしっかり飲みましたけど。
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