里での戦い
のんびりしたんだかしていないんだか、よくわからないけどいつの間にか休暇最後の日になってしまった。
起きたくもないのに5時前に目が覚めてしまう。小屋の生活時間が続いてしまう。が、小屋ほどは早く眠れないから寝不足になってしまう。
そんな休暇最後の日の朝、物々しい空気になった我が借家。
緊張が走る。
完全武装した我が借家の自称大黒柱。
これから起る、想像できる事を一から反芻しながら抜かりないように準備をすすめる。
この事態は二日前に発覚した。
蜂の巣だ。
戦慄が走った。
たかだか昆虫といえども、人間を死亡させる事もあるという。
家族に何かあっては大変だ。我が借家の自称大黒柱的には最善の方法を選ばなくてはならない。
うちのNちゃんは以前アメリカのヨセミテでクライミング中、蜂の巣に行き会い全身100カ所以上刺されて数週間入院するという経験がある。
その時は面白い話だと笑ったが本人はそれどころではない。
侮れるはずもなく、専門業者に依頼をしようと調べてみた。
調べて行くうちに気持ちも落ち着いて来た。同時に持ち前の勇気と面倒臭さが湧いて来た。
「面倒だから自分でやるわあ」
恐怖の蜂の巣のある軒下に行く。
わかるだろうか。
わかるだろうか。
そう。 けっこう小さいかも。
あちらにも蜂の我が家と大黒柱がいる。
マジで緊張した。
蜂の我が家の大黒柱と、人間の我が借家の大黒柱の真剣勝負だ。
結果、ゴキジェットという飛び道具をブシューと。1秒で終わった。
アシナガ蜂の様だが、攻撃性は少ないらしい。巣を刺激しなければ問題もなく、そのまま放っておく人も多いらしい。
巣には卵や蜂の幼虫が数匹居た。
親蜂は一匹で家を造っていた。
似た様な立場の蜂と俺。
蜂よ、わかっておくれ。
俺は明日小屋に戻るんだ。
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