石巻の旅【おおもり食堂と帽子】

きーちゃん

2013年04月12日 15:55

さて、いよいよ長くなってしまったがお付き合い。

お腹の空き具合も喉の乾き具合もピッタンコでお待ちかねのお昼ご飯「おおもり食堂」へ。


なぜここをお昼にしたかというと赤沼サンに縁があった。

震災のあった翌年、赤沼サンの棲む安曇野へおおもり食堂のマスター渡辺清吾さんが震災の語り部として招かれた。その際、マスターの吹くハーモニカに赤沼サンがギターで伴奏を付けたという。津波に家も船も店も流されたが、面影のなくなった同じ場所で、プレハブの小屋でまた食堂を始めたおおもり食堂。
小さな縁から、今回我々の石巻行でのちょっとした目玉となった。

店の中へ入ると賑やか。
お客さんもだがそれだけではない、店の天井や壁が賑やか。




所狭しと張られた絵や短冊、詩の書かれた紙がずらり。

すでにホルモンの網焼きを食べている一行も居る。



旨そうな音と匂いと煙にこの後のライブを忘れそうだ。
派手にホルモン焼きを繰り広げているテーブルをじろじろ見る。

「あれ、いいねぇ」

「うん、いいねぇ」

「いっちゃう?」

「いきたいね〜」

「ここで出来上がってしまうねえ」

「う・・・・」


名物のホルモン丼で我慢した。
運転を自ら買って出てくれたすーさんに感謝しつつビールを頂く。
ママの片岡裕子さんがわざわざ注いでくれた。

「な〜に、わたし、3歳からお酌してっから〜、ははは〜」

ホルモン丼の前にノックアウトされそうなくらいの元気さだ。
次から次へと入る注文を小気味良く捌いている。

ホルモン丼がくる前に店内を見渡す。

入り口近くにあったプレート。





そこここに張られた名文、迷文・・・。




























最高だ!これだけで酒が五合はイケそうだ。



飽きずに壁や天井を眺めていたらお待ちかねのホルモン丼の登場。




甘辛の味付け。一口食べて甘みを感じたがしつこくない。お世辞抜きに旨い!ビールにご飯にナンデモ来い!っといった味。
生卵はサービスで自由に丼に落とせる。私は半分食べたところで卵を落とし、くちゃくちゃにして頬張った。旨かった〜。

勘定を済ませ挨拶。
今夜の石巻でのライブを伝えると「がんばってくださいね〜」と言われた。
こちらが、がんばって、なんて言われると据わりが悪かった。
ライブの飛び入りの交渉もして店を出た。
『店も家も全部流されてもがんばっている・・・・』なんて枕がなくても十分にエネルギー感じる店。マスターとママ。
今の自分を見つめてしまう・・・。 





石巻に戻る前にちょっとお買い物。

近くにある商店街。
っと言ってもやはりプレハブだけど。




さんさん商店街同様、活気のある店が軒を連ねる。

目の前には津波の被害が平然と残っている。



店一つ入るにも心して入る気持ちになる。


さてお目当て。
前回、赤沼サンがおおもり食堂に来たときにマスターが被っていたハンチング帽子を気に入り、手に入る店を今回改めて教えてもらった。
私も高校生の頃から今まで好んで被っているハンチング帽子。
それも本物の大漁旗から作った帽子。
うん、絶対欲しい!

店の中には「今はこれしかない」と5つの大漁旗ハンチングが置いてあり、みな違う柄だ。
ハンチング好きの赤沼サンと眼を輝かせて選ぶ。
7千円近い値段は私の歴代ハンチングではトップだがこんな貴重で素敵な帽子、高くはない。
自分の財布には小銭しかなかったので、K君に立て替えてもらった。
赤沼サンは赤を基調とした物、私は青を基調とした物を購入。K君が許せば3つくらい買いたかった。
店の方が気さくに話しかけてくれる。石巻でのライブを伝えると喜んでくれた。
そしてここでも「がんばってくださいね」と言われた。
わたしは少し恥ずかしくなった。
みなそれぞれ土産を買って南三陸を後にした。さあ、石巻でのライブだ。


いろいろ買った土産の中で一番高価な物が自分へのお土産だった。K君がお金を出したのだけど。




大切に被ろう。


やっぱり続く・・・。



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