新宿や池袋にはいたにしろ、地方の駅には数が少なかったストリートミュージシャン。
毎週日曜日の夕方に大宮駅西口に二人で立っていた訳ですが、その時声をかけてくれた一人が中野さんだったのです。
話を聞くと、その頃すでに6年ちかく大宮の路上で唄っていた中野さん。
毎週毎週、真夏でも真冬でも休む事なく週2回、大宮駅の東口の街角で唄を唄っている方でした。
中野さんからすれば当時は「おっ、新しい奴らが出て来たかな」みたいな感じだったのかな?。
それから親しくなり、飲み屋やライブハウスで一緒に演奏したり、大宮で飲んだ帰りに中野さんの唄う所にベロベロで乱入したり・・・。
けっこう迷惑かけました(笑)。
最低なエピソードは多々ありますがお一つ…・。
現場帰りに大宮でさんざん飲んで、帰りに「あっ、今日は中野さん唄っているな」と思い「こんにちは〜」と缶コーヒー差し入れに行きました。
しばらく大人しく聴いていましたが「北爪君も一曲どう?」とギターを手渡されました。
土砂降りの寒い晩でした・・・。
酒で勢いづいた私は、大好きな遠藤賢司氏の「夜汽車のブルース」を唄い始めました。
次第に・・・勝手にヒートアップして、いつの間にか雨の当たらない場所から降りしきる雨の中へ・・・、人のギターを抱えて。
「北爪君、ちょっと!ギター濡れるから!」と静止されたかされなかったか憶えていません。
もう必死でうたいました。お酒の勢いが90パーセントな訳ですが。
通り過ぎる若い兄ちゃん(その頃私もそうですが)たちが「おお〜気合い入ってんなあ〜」と言いながら見てくれていました。
またそれが更に気持ち良く、人のギターで人の曲を熱唱しました。
さんざん気持ち良く唄いきった所に中野さんやその知り合いが私の所に駆け寄りました。
私的には人のギターによる、人の曲による、1曲ライブに感動して駆け寄って来たのかと思いました。
が、ほぼ羽交い締め状態で取り押さえられまして・・・、見たら中野さんに借りたギターは真っ赤な血と雨でドロドロでした・・・。
勢い余って知らぬ間に弦で指を切り、それでも酒で血行が良くなった手をブンブン振り回して弾いていたもんだからギターに血が飛び散っていまして・・・・。大切なギター、濡らすのも大変な事なのにアタシの血潮でドロドロなんて〜。
「気合い入ってんな〜」はそゆことで、酔っぱらって痛みが分からなかったっていう、そんな事だったそうな〜。
あらためて中野さん、今までいろいろごめんなさい!
そんなわけで、珈琲お好きな方は是非、茜屋珈琲店へ!
秩父出身のシンガーソングライター、中野さんは今でも水曜日と土曜日の22時以降、大宮駅東口のロフト(旧西武)前で毎週唄っています。
20年以上、それを続けています。
それまでにいろんな人がいたと思います。そんな中野氏にとっては上記のエピソードなどは鼻クソみたいな物でしょうか。
そう信じたいです・・・。
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