きーちゃんの部屋

昨年の12月25日の高円寺aloneから、年明け1月16日の江古田マーキー、18日の秋葉原秋田犬と、私としては珍しく立て込んだ１ヶ月に３本のライブ。

現在山梨在住の私としては、東京各地のライブハウス巡りは東京観光のようにも思えるものでした。

年末の高円寺alone。
aloneだから出来る曲、やりたい曲、と言うのが浮かぶような独特の空気感のハコ。
本気ならば何をやっても許してくれそうな、受け入れてくれるaloneでは、新曲一曲を含めた全曲変則チューニングでやってみた。ギターは二十歳の頃に買ったギブソンJ-55を久しぶりにステージに揚げた。以前はメインのギターだったギター。
aloneだからと、何となく「これ！」って思ったんだなあ。
聴く側も演奏する側も緊張感のあるaloneで、ようやく最近足を踏ん張れて演奏できるようになったかなと思っていたけど、久しぶりだったからか、なんだか浮わついてしまった。ような気がした。久しぶりのギターのせいでは決してないけど、少しの変化で安定できないのは情けない。
その時の最大限はやったけど、空回った。


年末年始は本業の山小屋へ。
今年はお客も多く、バタバタしていたが合間で曲をシコシコ作っていた。


15日に山を下山して、16日は江古田のマーキーだ。
約２年ぶり。今回で3回目。
マーキーに入って、なかのアリノブさんに「ずいぶん久しぶりだよね、どのくらいぶりだっけ？」、と聞かれ、なんだか覚えてくれただけで嬉かった。
マーキーと秋田犬は１日挟んでのライブだったので、ギターはどちらも同じにしなくては。
ここ最近使っているnationalのリゾネーターにするか、いつものマーチンD-18にするか。
迷ってみたがいつものマーチンを持って電車に乗った。
マーキーも老舗ライブハウスにして自由でどこか懐かしい感じが好き。音もラインにしてもマイクにしてもギターも唄も気持ち良い。
この日はほぼ全曲新曲と言うささやかな挑戦をしてみた。完成は前日とか、一週間前とかの曲と、一度だけやった曲のみ。チューニングもオールダドガトで。はじめて聴く人は何ら関係ないが、いつも来てくれるお客や自分には少しだけドキドキするステージだ。実際、聴いてくれた友人はヒヤヒヤしたらしい。
リハでは「やめようかなあ」、と思うくらいだったけど、本番は不思議と気持ち良くできた。やりたい方向の曲が定まっているわけでもなく、むしろ定めたくないと思っているので、新曲はちと照れてしまうような曲もやってみた。
ライブ後、いつも聴きに来てくれる友人と話した際、「以前の曲、最近しないけどやらないの？聴きたいよ」、と言われた。
聴きなれた曲も聴きたいといってくれるのはありがたいが、前に進んでる風の俺も感じてもらいたい。


18日の秋田犬。
選曲を考えたが、マーキーでの会話を反映したわけではないが、この日はレギュラーチューニングで。
しかも短いソロシンガー時間にしてその中でも良く唄っている「慣れた」唄をメインにやってみた。
所謂キャッチーな曲たちだ。
しかしそれは本人やしょっちゅう聴いてくれる仲間だけが思うくらいで、やはり万人受けしない楽曲なんだろうなあ。
秋田犬も何度かさせてもらっているが、一年半ぶりくらいかな。
この日は５組で私はトリだった。
他の4組は皆、私よりもうんと若く、そして上手かった。演奏も曲も、惹かれるものがあった。
最後に出ていくのが申し訳ないくらいだ。

珍しく始める前に一杯引っかけてしまった。酒を飲むことによって思いきった演奏が出来るとは思わないし、飲まないからショボくなるとも思わない。ならばシラフがいいにきまっている。ので、始まる前はあまり飲まない。でも、その日は飲んでしまった。
ステージでは一人。聴いている人を意識したこともあったけど、いや、いまでもしてるかな。
しかしあまり気にならなくなった。だれに聴かせたいわけではない。仮にある曲の詞のモデルになった人がいても、その人に届け！と唄うことはない、と、今は思う。全く一人の中で。
でも、今後はもっとしなやかに自由に唄えたらと思う。まだ余裕がないみたい。だから今は一人でいい。


12月から1月にかけての三回のライブ。
たくさんの人たちが聴きに来てくれた。その方たちにどの程度感じてもらえたろうか？
まだまだお客を楽しませようなんて余裕はないし、その必要があるのかも良く解らない。
このままでも嫌だし、もっと聴きづらい曲になっても好きなものをしなくてはとも思うけど。
まだ決めずに、もっと自分が思う「カッコいい」ものをやりたい。その結果が現在なのだけどなあ。

聴きにくれた方々、気にかけてくれた方々、ライブハウスの皆様、ありがとうございました。
モゾモゾと動く男の曲を少しでも興味を持っていただけたら、また是非！



写真は我が親分の花谷さん撮影。ありがとう。